ハイキュー!!

週刊少年ジャンプ2020年30号感想(ネタバレ注意)

週刊少年ジャンプ2020年30号を読んだので、感想を書いていきます。例のごとくネタバレ注意です。

新連載『灼熱のニライカナイ』あらすじ

今時では異質となってしまったハードボイルドな刑事、鮫島灼熱(さめじまぼいる)巡査が案の定問題を起こし、小笠原諸島に左遷されます。

具体的には人質を取って立てこもった犯人を背後から銃で脅し、その後全力でボコるなど。

鮫島

(早いなー…流れ。これが時代か…。もうダメなの? 無鉄砲な警官が無茶しながらも犯人逮捕ー…みたいなやつ。いや実際鉄砲は持ってましたけど…)

彼の上司曰く「今の時代コンプライアンスを無視すれば世間と言う警察が許さんのだ」そう。

こうして冒頭から秒で小笠原諸島へ左遷されたのでした。

そして小笠原諸島にてお迎えに上がった同僚、美人で巨乳で敬礼しただけでシャツがはだける七瀬宇海(ななせうみ)巡査に案内されつつ、この小笠原で起きている事件の調査について聞きます。

それは「海の教団」とよばれるカルト集団の元に居た、「乙事ノ姫(おっことのひめ)」と名乗る5歳にも満たない少女のことでした。

その少女がジュゴンやイルカと話をする姿がメディアに取り上げられ、教団はカルト的な注目を集めたようです。

上記カルト集団と少女は「海の教団事件」と名付けられた事件により、未だ不可解な謎を多く残しつつも失踪していました。

七瀬

「幹部信者含め27人。船で「楽園」を目指したとか遭難したとか色々噂になりましたけど。流れついたんですよ。3日前」

鮫島

「船がか?」

七瀬

「いえ…それが。少女一人イルカに運ばれて…――中略――とにかくその子と話してるともう本当としか思えないんです。どう考えても彼女、イルカに育てられてる

当然、鮫島巡査は「そんな設定今時3流漫画家でもやらんぞ」

と信じていませんでしたが…

姉ヶ島署の上司

「えー…というわけで今日づけで我が署に配属された鮫島巡査と、オルフェウス警部補だ」

オルフェウス

「オルフェウスです。もう何人かにはお会いしていますが改めまして。よろしく。特技は楽器とかかな」

チャコ(上記カルト集団の少女)

「パパ上ーっ‼」

オルフェウス

「そうそうそれとこっちは娘のチャコですな」

鮫島

(そうきたか――――…)

オルフェウス警部補と名乗った男(?)は、明らかに顔がイルカでした。

鮫島

(イルカ…え? これイルカなの? 着ぐるみ? 何故誰もつっこまない。島では常識なのか? ていうかイルカ階級上!!?)

姉ヶ島署の上司

「鮫島君にはしばらくオルフェウス君の下について捜査にあたって貰う」

オルフェウス

「よろしく」

鮫島

「マジか!?」

オルフェウス

「オルフェと呼んでくれ。相棒」

鮫島

(イルカが相棒になりました)

オルフェウス

「こんな所にいたのかサメ…」

鮫島

(そして距離つめてきた)

というわけで人外(?)の相棒を得た鮫島は、早速島で発生した当て逃げ事件の現場に向かいます。

当て逃げ犯が盗んだ車で無免許で運転していたのですが、当たり屋のような恐喝や子供のような屁理屈で言い逃れをしますが、

最終的に逃げた車に向かって、鮫島とオルフェウスは同時に発砲。

日本の警察官はご時世のこともあり、発砲すると「本当に撃つのが正しかったのか?」という厳しい疑問符がつけられ、

殆どの警察官が一度も拳銃を使わないまま退職を迎える中、この二人はなんのためらいもなく撃ちました。

綺麗にタイヤ部分に当てて車を止め、しかも車の走る先に母と子の親子が居ました。

オルフェウス

「確かに銃の扱いは慎重であるべきだ。だがな、撃つべき時に撃てないようじゃ何も守れないぞ」

オルフェウスは、どうやら鮫島の性格にとても似ているようでした。

さらには、自分以上に難しい角度から綺麗にタイヤを狙って命中させた鮫島を密かに評価していました。

その後、海を見ながら一服している鮫島にチャコが駆け寄ります。

チャコ

「サメにぴったりだと思う。チャコはさっきみぬいた」

鮫島

「あ?」

チャコ

「悪い奴いっぱいつかまえる。パパ上と同じ。せかいいちのおまわりさんだ」

こうしてオルフェウスの娘のチャコにも大いに気に入られ、鮫島の灼熱の事件簿は始まったのでした。

新連載『灼熱のニライカナイ』感想

あやかしトライアングルの時に田村隆平先生の作品を例に挙げてましたが、その2週間後に田村先生の作品が連載になるとはw

よく見たら4週連続新連載の所に載ってたのですが、そのページ見てなくて知らなかったという(^_^;)

しかし、『べるぜバブ』の時も思いましたが、相変わらず訳が分からないけど面白いという印象ですw

『べるぜバブ』の時は乳児でしたが、今回の『灼熱のニライカナイ』では幼児なわけですね。

『べるぜバブ』は不良高校生と乳児、今回はやはり不良警官(不良はもはやデフォルトなんですねw)と幼児のセット。

こういう一見あり得ない組み合わせのキャラクターたちを共にいさせることで、「どうしてそういう発想になった」とでも言うべき意外性からくる面白さが半端ないわけですね♪

ただ、心配なのは、鮫島を左遷させた上司の台詞「今の時代コンプライアンスを無視すれば世間と言う警察が許さんのだ」です。

それこの漫画にも当てはまってる気がしますが大丈夫? と思うのですが(^_^;)

警察官とはいえ、成人男性と幼女の組み合わせはちょっとヤバイ気がします。

が、昨今の「成人男性が善意で迷子になった女児に声をかけただけで事案になる」という風潮もそうですが、

そういう作品がコンプライアンスに引っ掛かるなら、もはや面白い漫画描けないと個人的に思う私にとってはアリな内容だと思います。

なにより上記の通り意外性とギャップが生む面白さが半端ないですから。

そしてチャコに目が行きがちですが、今回はチャコというよりもその父親(?)オルフェウス(通称オルフェ)の方がインパクトは抜群ですw

鮫島自身がつっこんでいましたが、

(イルカ…え? これイルカなの? 着ぐるみ? 何故誰もつっこまない。島では常識なのか? ていうかイルカ階級上!!?)

顔だけイルカで、あとの上半身下半身は人間と言う、訳の分からないキャラクターが初登場した時のインパクト、

そして上記鮫島さんの心のツッコミ!

あとこんなへんなのが自分より階級上で自分はその部下になるの? という「気にするのそこ!?」的な読者側のツッコミも大いにしてしまうカオスな場面。

やはり見た目のインパクトとその後のやり取りが秀逸ですね♪

誰もつっこまないから何でイルカなのか当たり前ですが説明してくれない

だがそこがいいw

しかもイルカなのに普通に鮫島さんと絡むし、娘のチャコの前でタバコを吸った(タバコを吸ってる鮫島の前にチャコが後から来た)ら全力で鮫島さんをぶん殴ったりもします。

そして最後、二人揃って着任早々拳銃を発砲するという前代未聞の事態となり、

姉ヶ島署の上司

(バカなの?)

オルフェウス

「こいつが先にやりました」

鮫島

「こいつです。ヒャッハー言ってました」

姉ヶ島署の上司

「もういいっ」

人外と責任の押し付け合いをしちゃってるよwww

繰り返しますが、こういう意外性が生む組み合わせで、人外なのにその中身は非常に人間くさいキャラクターと普通にやり取りするギャップがめちゃくちゃ面白いですw

正直、今のジャンプはかなり不安定で、安定した面白さを誇る作品が減っていってます。

かつて大いにジャンプを盛り上げた先生の作品だと期待度が別格になりますね。

矢吹先生共々、この今の不安定なジャンプを是非支えて頂きたい作品でした♪

『僕のヒーローアカデミア』

流石は弔くん。

ラスボス(でいいのかな?)に相応しいチート能力ですね。

脳無と同じ手段で肉体改造を施し、個性ではなく素の力で、振るうだけで跳躍し、空すら自在に飛行する。

例えば我々のような普通の人間が、何の特殊能力も使わず、ジャンプするだけで空を飛べると例えたら、そのチートっぷりが分かると思います。

あるいは「振るう」と言ってるから、例えば腕を振る遠心力と風圧で空を飛べるとかそういうことでしょうか。

うん、どっちにしろチートですねw

もっとも、弔くん復活からこうした対戦は正直予想通りだったので、これぐらいの能力を持っていても別に驚きはしません。

ラスボス(?)が簡単に倒されたら本作が簡単に終わってしまいますから💦

だから弔くんの能力がヤバすぎることを見せつけてくれる今回の話は必要でしたし、

相手が弔くんだけではない絶望(あとギガントマキアを始めヤバイ奴らがまだゴロゴロいる💦)も残念ながら必要な話だったのでしょうね。

ただ非常に、ひっっっじょーーーーーに心配なのが、相澤先生です。

個性の抹消で弔くんの個性を封じている状況から……

「邪魔だイレイザーヘッド」

相澤(イレイザーヘッド)

(死んでたまるか。俺が殺られたら歯止めがきかなくなる! まだ見ててやらなきゃ。あいつらを。卒業させてヒーローになるまで――――まだあいつらを)「邪魔はおまえだぁ!!!」

死亡フラグに見えてしまうんですが、めっちゃ心配です💦

生きてこのあとの希望に縋る人間、やることがあると大々的に宣言するのは、

「俺、この戦いが終わったら結婚するんだ」的な死亡フラグに思えてしまうのです💦

しかも私が想像する最悪な未来は、

デクくんと爆豪くんが最後その相澤先生を助けるために弔くんに突撃してましたが、

相澤先生がその二人を庇って死ぬという、鬱と絶望まっさかりな展開になるという未来です。

お願いだからそんな展開にだけはしないで欲しいと心から願いました💦

まあ相澤先生自身が言っていたように、今相澤先生がいなくなったら弔くんの個性で無双状態にされてしまうから、上記展開はないと思いたい💦

でも、バトルの最も面白い形態は、個性(能力)がお互い使える状態でお互い全力ブッパの死闘です。

そういう展開にもっていくには相澤先生の個性が発動しない状況にするしかないのです。

ただ、その状況を相澤先生の死亡という形にするのだけは止めてほしいです💦

と、別の角度からの願いも書いておきます(^_^;)

『ハイキュー!!』

今回はアドラーズ側の追い込みが丁寧に描かれてましたね。

正直、一人のキャラに焦点を当てて活躍を描くと他のキャラクターが置き去りにされてしまうのが本作の弱点だと思ってました。

何故なら他のキャラに焦点当てまくって描いたら主人公の日向くんでさえ「やられ役(みすみす点をとられる)」になってしまうからです。

現に先々週から先週で日向くんがようやく凄まじい活躍をしてくれて主人公無双かと思いきや、

その日向くんが「また今回は影山にやられるんかい!」というツッコミを入れられてしまいますから。

でも、敵側の強さ(あとチームメイトも)を一話使って丁寧に描くことで、敵も味方もラスボスレベル(もはやラスボスは影山だけではないw)だと思い知らされ、

そのラスボスと肩を並べて戦える日向くんがどれだけ成長してどれだけ無双状態なのかがよく分かりますから!

他のキャラクターが強ければ強い程、そのキャラクターを圧倒する描写があればより目立てるわけですね。

なにより試合が簡単に終わってはつまらないから、アドラーズ側の活躍も描かないといけないわけですね。

というかフルセットまでやってくれるよね? つまりこのセットはアドラーズ側が取るよね?

そうでないとこのラスボス戦終わったら本作どうなるの? という不安もあるので(^_^;)

この試合はもっとじっくり読みたいですねえ♪

『ブラッククローバー』

うんうん、私の予想通り過ぎて正直個人的には一番面白くなかったと言いたいです。

死ぬほどムカつく展開でおわりましたね。

しかも絶対そうなると思ってたから、どこかでその予想を裏切ってくれないかという希望に縋っていましたが、

そういう予想だけは的中してほぼ予想通りの展開にしてくれたので、読者の予想をもっと超えて欲しかったですね。

何でこの作品はクズで下衆が無双になるかな。

 

「息をするように楽しむように人を殺しまくる下衆に完膚なきまでに負ける展開」が、読者が楽しめるわけないでしょう?

もちろんカタルシスを狙ったとか、そしてその後修行してそいつらをぶちのめす展開が待っていることへの布石なのだとしても……

それは今やって欲しかったです(後者を)。

今の話の敵側の勢力がダークトライアドを始め、かませ役のザコ(そのザコもザコのくせにモブを殺害しまくる)すらどいつもこいつも性格が破綻している奴らばかりで見ていて気分が悪いのです。

まあダークトライアド (Dark Triad)自体、心理学用語で自己愛傾向 (Narcissism)とマキャヴェリアニズム (Machiavellianism)とサイコパシー (Psychopathy) の3つのパーソナリティ特性の総称ですし。(Wikipediaより)

それらが一つでも突出して高ければ犯罪に走る可能性が高いとされる特性です。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%80%E3%83%BC%E3%82%AF%E3%83%88%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%82%A2%E3%83%89

いわゆる「サイコパス」もここからきていますから、その名前がついている時点でヤバすぎる奴らなのは分かっていましたが、

読むたびに読者を胸糞悪くさせてどうするんだと言いたい。

来週のヤミ団長も、負けるのか、あるいはいい勝負をしても決着はつかずに逃げられるのか。

ヤミ団長が負けて連れ去られでもしたら敵の目的がほぼ達成されてしまうので、その展開はないと思いたいですが。

改めてダークトライアドの無双を見せられたから、正直心配です。

が、それ以前に読むのが辛い💦

面白い作品であるがゆえに、こういう展開を声を大にして「面白くない」と言ってしまうのであって、

好きな作品だからこそ読むのが辛くなるわけです。

まあ私と言う一読者が勝手に期待して勝手に失望しただけなので、「だからどうした」と言われてしまえばそれまでなのですが。

私の意見がもし少数派でなければ……いや、それは統計を取っているわけではない私に言う資格はないか……(^_^;)